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第1章 アルゴリズム

更新日:1月23日

 「プログラミングはコンピュータを動かすプログラムコードを書くことだ」といって、プログラム言語のことばかり気にしている人がいます。

「C#」か「C++」あるいは「Python」かと悩んでいます。


 プログラミングとは、「アルゴリズムを構築し、それをプログラム言語で記述する」ことです。

つまり、大事なのは「アルゴリズム」で、プログラム言語はアルゴリズムをコンピュータに伝える手段です。

アルゴリズムが決まれば、業務用のプログラムなら「JAVA か C#」、組込み系なら「C か C++」、機械学習なら「Python」、ゲームなら「Ruby」と自ずとプログラム言語は絞られてきます。


 では、アルゴリズムとは何でしょう。

与えられた命題をコンピュータで実現するための具体的な手順」がアルゴリズムです。

例えば、「103と557の足し算をしなさい」という命題を見てみましょう。


 103 + 557 = ???

この計算を暗算でするときどうしてますか?(数式を見てはダメですよ)

・・・

頭の中に「103」を思い浮かべて、次に「557」、一番下の位から足し算すると

   103               103            103

+ 557             + 557          + 557

    0 2桁目が1繰り上がり  60 そして3桁目は  660 


 こんな感じではないでしょうか。


コンピュータも似たような動きをします。

コンピュータにはデータを入れる便利な入れ物があります。

この入れ物を「変数」といいます。(後の章で詳しく説明します)


変数はたくさんありますので、例えば「変数1」には「103」を入れて、「変数2」には「557」を入れるといった具合に使います。

コンピュータが命令で動くのは知ってますよね。

この命令には多くの種類があります。

変数にデータを入れるときは「代入命令」を使います。

データというのは数字や文字のことで、ここでは「103」や「557」のことです。


(代入命令) 「変数1」に「103」を入れる

(代入命令) 「変数2」に「557」を入れる


となります。


 次に、コンピュータに変数1と変数2を足し算しなさいという命令を出します。

これには「加算命令」を使います。

計算結果を保存するための「変数3」を用意し、代入命令と一緒に使います。


(加算命令)(代入命令) 「変数1」と「変数2」を足し算した結果を「変数3」に入れなさい。


最後に、計算結果を確認するためパソコンへ表示させます。

表示には「表示命令」を使います。


(表示命令) 「変数3」を表示しなさい


そのほか、プログラムを開始させる「プログラム開始命令」やプログラムを終了させる「プログラム終了命令」があります。


足し算のアルゴリズムはこうなります。

(図-1)
(図-1)

コンピュータは、一度に1つの命令しか実行できませんから、上から順番に①、②、③、④、⑤、⑥と命令を与えます。

④には2つの命令がありますが、コンピュータの心臓部に行き着くころにはもっと分解され、「加算命令」->「代入命令」の順になります。

パソコンの画面には「660」と表示されます。


 もし、①、②、④、③、⑤、⑥の順で命令を与えたらどうなるでしょう。

(図-2)
(図-2)

結果は、「103」と表示されます。

④の計算時点で変数2には何も入っていないためです。

 このように、コンピュータは、素直に命令の順番に沿って動いていきます。

何となくアルゴリズムを身近に感じませんか?


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