第9章 プログラムコードを書く
- 新原 俊一
- 2024年11月30日
- 読了時間: 6分
更新日:1月12日
今回のプログラム言語は「C#」です。
読者の中には「JAVA」を習いたかったとか「PYTHON」を習いたかったという方もいると思います。
期待に沿えないのは残念ですが、プログラムの基本はどれも同じです。
プログラム言語の選択は目的に応じて変わります。
例えば、業務処理系(会計システムetc)だとCやC#、JAVA、ゲームならRUBY、機械学習ならPYTHONといった具合です。
きっと、あなたもこれから複数の言語を扱うことになります。
経験から言いますが、1つ学べば、他の言語を学ぶのは早くなります。
言語の基本は変わりませんので、その言語の特有な部分を学べばいいからです。
さて、本題に戻ります。
今、皆さんはプログラムコードを記述するエディターは何を使うんだろうと考えてませんか?
VisualStudio、Ecllips・・・、
「フローチャートプログラミング C#」をお勧めした理由はここにあります。
このアプリは、フローチャートだけでなくプログラムコードを書くことができ、さらに、フローチャートからプログラムソースを作成できるのです。
(図-1)のフローチャートにプログラムコードを追加していきます。

(1)プログラム開始図形とプログラム終了図形
プログラム開始図形を右クリックするとエディターが表示されます。
エディターの下段にプログラムコードを書いていきます。
(図-2)のように書いてください。

1行目から4行目までは、Visual C#を使うためのお約束なので気にする必要はなく、そのまま書
いてください。
5行目はプログラムの起点を表す大事な命令です。
Visual C# は、「 Main() 」という名前が付けられたメソッドを最初に実行する決まりです。
(メソッドはオブジェクト指向で使われる名称です。詳細は控えますが「ある目的を達成するため
の処理の集まり」です。)
従って、Visual C#のプログラムソースの中にMain()は1つしか書けせん。
この行もそのまま書いてください。
そして、次の行の「 { 」中括弧左がプログラムの開始を表します。
コードを書いたら緑のメニューにある左向き矢印をクリックして登録します。
(右上のバツ印をクリックしても登録されません)
次に、終了図形を見てみます。
終了図形は開始図形と対になる図形なので、開始図形の中括弧左の数だけ中括弧右を書きま
す。

***** コラム(対になる命令) *****
プログラム開始命令とプログラム終了命令、ループ開始命令とループ終了命令、選択開始
命令と選択終了命令は、いずれも対で使われる命令です。
これらの開始には中括弧左、終了には中括弧右が使われます。
この中括弧の数は正確でなければなりません。
数が不正確だとコンピュータは大混乱を起こしますので、くれぐれも注意してください。
*****
(2)処理図形
ここでは変数を宣言し、同時に値を代入しています。
int hensu1 = 1;
「 int 」は、データ型が整数型であることを表しています。
「hensu1」は変数名称で値「 1 」を代入しています。(「変数1」をわかりやすく「hensu1」に変更し
ました)
最後に、「 ; 」を書きます。
int sum = 0;
「 int 」は、データ型が整数型であることを表しています。
「sum」は変数名称で値「 0 」を代入しています。(「変数2」をわかりやすく「sum」に変更しました)
最後に、「 ; 」を書きます。

Titleも欄もわかりやすく修正します。
ここでは、複数の変数を宣言し値(最初に入れる値なので「初期値」と言います)を代入して
いますので「変数の初期化」という名前にします。(好きな名前を付けられます)

(3)ループ開始図形とループ終了図形
(図-6)は、ループ開始図形の内容です。
繰返し命令には、「 for 」命令、「 while 」命令、「 foreach 」命令、「 do ~ while 」命令があります。
ここでは、一番多く使われる「 for 」命令を使用します。
この命令の書き方は、
for ( カウンター変数 ; 条件式 ; 変数の増減式 )
{
繰返す処理
}
です。
カウンター変数は、繰返しの回数を数えるための変数です。
条件式は、条件を満たす限り繰返しを行うための式です。
変数の増減式は、カウンター変数をどのように増やしたり減らしたりするかを表す式です。
for(int i = 0; i < 5; i++)
{
この命令の動きは以下のようになります。
➀ int i = 0; カウンター変数「 i 」を宣言し初期値「 0 」を入れています
② i < 5; i が 5未満なら繰返しを行い、そうでなければ繰返しを終了します
➂ 「繰り返す処理」を行います
➃ i++ カウンター変数を「 i++ 」だけ値を増加させます。
「 i++ 」 というのは特殊な書き方ですが、式「 i = i + 1;」の短縮版です。
つまり、 i を 1 だけ増加させます。
⑤ ➁~➃を繰り返します

(図-7)は、ループ終了図形の内容です。
}
「 } 」は、繰り返す処理がここで終了することを表しています。

(4)判断図形と条件図形
判断図形を右クリックしてください。
今までの図形と違ってプログラムコードを書く欄がありません。
実は、「フローチャートプログラミング C#」は選択処理を自動で処理してくれるので書く必要が
無いのです。
選択処理の命令には、「 if … else 」命令と「 switch 」命令があります。
ここでは、if … else 命令を使います。
書き方はこうです。
if (条件式)
{
条件式が正しい場合に実行される処理
}
else
{
条件式が正しくない場合に実行される処理
}
「フローチャートプログラミング C#」が自動で処理してくれるのは、赤い文字の部分です。
従って、こうなります。
if (変数1が奇数)
{
変数1と変数2を足した結果を変数1へ入れる
}
else
{
(何もありません)
}
左の条件図形を右クリックしてください。
hensu1 % 2 == 1
余りが「 1 」(奇数)に等しいか比較しています。

右の条件図形は何もありませんのでそのままです。
(「変数1が奇数でなければ」は、「偶数」になります)

***** コラム(選択での条件の順位) *****
判断図形の条件が処理される順番は、ラインを引いた順になります。

if (条件1)
{
処理1
}
else
{
処理2
}
となり、逆なら

if (条件2)
{
処理2
}
else
{
処理1
}
となります。
*****
(5)処理図形
変数2は「 sum 」に変更しましたので、ここのコードはこうなります。
sum = sum + hensu1;
sumとhensu1をたした結果をsumに代入しています。

(6)処理図形
(図-11)のコードです。
hensu1 = hensu1 + 1;
hensu1に「 1 」をたした結果をhensu1に代入しています。

(7)処理図形
ここでは、合計を表示しています。
タイトル欄の「変数2」は「 sum 」に変更します。
コードはこうなります。
Console.WriteLine("合計 : " + sum);
「Console.WriteLine」は表示命令です。
「"合計 : " + sum」は、「合計 : 」という文字列をそのまま表示して、次に「 sum 」の値を表示す
るという内容です。

(図-13)となります。

以上で、プログラムコードを書く作業は終了です。
次の章ではフローチャートのパスを作ります。
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